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異物誤嚥

異物誤嚥とは、本来食べ物ではないものを飲み込んでしまうことです。
串のついたままお団子や焼き鳥を食べてしまったり、おもちゃで遊んでいるときに誤って飲み込んでしまったりすることがあります。

小さな物であれば便とともに排泄されることがありますが、大きな物や長いひも状の物、の尖った物などは胃・腸の閉塞・穿孔の原因になります。(消化管内にある食べ物以外の物は “消化管内異物”といいます)

【おもな症状】

1. 元気消失
2. 食欲不振
3. 嘔吐・下痢
4. 消化管の完全閉塞があると便秘
5. 腹痛(腹膜炎を併発した時は激しい腹痛)
6. 無症状
など

【好発品種】

特にありません

【診断】

レントゲン検査やCT検査で異物の確認をします。
■消化管内異物としてよく見られる物■
• 金属類(キーホルダー、指輪、ネックレス、硬貨など)
• ビー玉などのガラス
• 果物の種子
• 焼き鳥やお団子の竹串
• プラスチック製のおもちゃ
• ひも状のもの(輪ゴム、毛糸など)
• 布類(タオル、衣類、布製おもちゃなど)
※金属や種子などは画像で容易に確認できますが、布類やビニール、ひもなどは画像で確認するのが難しいです。
また小さい異物も画像で確認できないことがあります。
• ビニールやラップ

【治療】

• 内視鏡による摘出
• 開腹手術

【消化管内異物のCT画像】

□□□症例1 フレンチ・ブルドッグ 4歳 雄□□□
(症状・経過)7日前にお団子を串ごと食べたかも。その後から元気・食欲の低下、嘔吐。

【画像検査結果】
・ 腸内(おそらく結腸)から腸外に突き抜けた長さ約13cmの棒状の異物が認められます。
・ 形や大きさからお団子の串と思われます。
・ CT検査では撮影したデータをもとに立体画像(3D)がつくれます。

【消化管内異物のCT画像】

□□□症例2 ウエストハイランド・ホワイトテリア 13歳 雄□□□
(症状・経過)クッシング症候群あり(※)。元気あり。嘔吐や下痢などの消化器症状なし。

【画像検査結果】
・ 胃の中に直径約3cmの丸い異物が認められます。
・ 立体画像(3D)では種子のように見えます。
(飼主さんのお話では心当たりはないようです。)

※クッシング症候群
副腎という組織から分泌される“副腎皮質ホルモン”の過剰分泌により引き起こされる病態のこと。
原因:副腎の腫瘍あるいは脳・下垂体の腫瘍など
症状:異常な食欲、多飲多尿、脱毛など皮膚症状、腹部膨満など   *詳しくは獣医師にお尋ね下さい。

【消化管内異物のCT画像】

□□□症例3 ネコ 2歳 雄□□□
(症状・経過)2ヶ月前から時々嘔吐。元気・食欲にムラがある。

【画像検査結果】
・ 小腸の中に白く、形のはっきりしない白い異物のような物がみえます。
・ 開腹手術で、小腸の中からネズミの形をした布製のおもちゃが摘出されたそうです。

【診断のポイント】