前庭疾患
前庭とは・・・
前庭とは姿勢や体のバランスを正常に保つ働きをする器官の総称で、中枢性(小脳・延髄)と末梢性(中耳・内耳)に分類されます。
様々な疾患により前庭系が侵されると斜頸(頭部の傾き)や旋回(同じところをぐるぐる回る)などの特徴的な症状がみられます。
=== 原因 ===
原因として以下のものが挙げられます。
1. 腫瘍
2. 炎症
3. 原因不明(特発性)
など
【おもな症状】
前庭疾患では下記のような特徴的な症状が見られます。
1. 頭部が左右どちらかに傾いている(斜頚)
2. 眼球が横または縦に揺れる(眼振)
3. 同じとろをぐるぐる回る(旋回運動)
4. 歩き方がぎこちない(運動失調)
5. 黒目が正面を向いていない(斜視)
など
【好発品種】
特にありませんが、耳の炎症がおきやすい品種や高齢動物に比較的多くみられます。
アメリカン・コッカースパニエル、柴、シーズー、フレンチブルドック、スコティッシュフォールド など
【診断】
MRI(CT)検査や脳脊髄液検査を行います。
【治療】
原因によって様々です。
*前庭疾患は、特徴的な症状がみられますが、その原因は一つではありません。当然ながら原因によって治療方法や予後は大きく変わってきます。