ペットの病気と検査
ペットの様子がいつもと違う、もしくは痛そう・苦しそうなそぶりを見せたら、
それは身体に異変が起きているというサインです。
そのままにせずに、かかりつけの動物病院へご相談ください。
馬尾症候群
【おもな症状】
どの神経が障害されるかにより、症状は様々です。
初めは腰部やしっぽを挙げた時に痛みが出たり、座る事や階段の上り下りがゆっくりになることもあります。
症状が進行すると、後ろ足のふらつきや尿漏れ、排便障害が見られる事もあります。後ろ足を曲げずに歩こうとする場合が多いですが、逆に足を挙げる子もいます。
【好発品種】
大型犬の中年齢以降で多く見られますが、小型犬や猫での報告もあり、特にプードルは小型犬の好発犬種とされています。
また、メスよりオスの方が多くみられ、体重や運動量などにも影響を受けるのではないかといわれています。
鼻腔内腫瘍
【おもな症状】
1.顔の変形(顔が腫れる、目がとび出る等)
2.くしゃみ
3.鼻水・鼻血
4.目やに
5.発作
など
【好発品種】
猫より犬に多く、高齢で鼻の長い品種(シェルティなど)に多いと言われています。また小型犬より中~大型犬(ラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバー)に多いと言われています。
水頭症
【おもな症状】
<先天性>
原因:不明。特定の犬種に多く見られることから遺伝の可能性。
症状:体格が小さい てんかん症状
ドーム状の大きな頭 斜視(腹外側斜視)
トイレなどのしつけができない 痴呆のような症状
活動の低下 視力障害(失明) など
<後天性>
原因:①脳脊髄液の循環障害(脳脊髄液の流れがせき止められる)
②脳脊髄液の過剰産生あるいは吸収不全
→脳腫瘍や脳炎、脳の奇形など
症状:原因となる病気による症状が主となる。(例:意識低下、発作など)
【好発品種】
チワワ、ミニチュア・ダックスフント、マルチーズ、トイ・プードル、
ボストンテリア、シーズー、ヨークシャテリア、ポメラニアンなど
*先天性の水頭症は小型犬や短頭種といわれる犬種に多くみられ、大型犬や猫でみられることは珍しいです。
骨肉腫
【おもな症状】
1. 病変部の腫れ・痛み
2. 跛行
3. 病変部位の骨折(病的骨折)
4. 脊椎や頭蓋骨に発生すると麻痺やケイレン等の神経症状 など
*腫瘍の発生部位により様々です。
【好発品種】
ゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバー、ジャーマン・シェパード、グレート・ピレニーズ などの大型犬
副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
【おもな症状】
1. 多飲多尿、多食
2. 腹部膨満
3. 脱毛
4. パンティング(ハァハァする)
5. 両側性脱毛 など
【好発品種】
犬で多く、猫では稀だと言われています。
プードル、ジャーマン・シェパード、ダックスフンド、ビーグル、テリア種、ラブラドール・レトリバー、ボクサー、ボストンテリア など
壊死性髄膜脳炎(パグ脳炎)
【おもな症状】
1. けいれん
2. 起立困難
3. 旋回、斜頚
4. 盲目
5. 昏睡 など
* いずれの症状も他の脳疾患でもみられるので症状だけで診断はできません。
【好発品種】
パグ、シーズー、マルチーズ、ヨークシャー・テリア、ペキニーズ、チワワ、フレンチブルドック
など