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肺腫瘍

肺に発生した腫瘍を肺腫瘍といいますが、肺自体が腫瘍化したもの(原発性)と、他臓器に発生した腫瘍が転移したもの(転移性)があります。

===原因===
□原発性肺腫瘍:
肺から発生した腫瘍です。
犬や猫では転移性より少ないといわれています。

□転移性肺腫瘍:
乳腺がん、血管肉腫、骨肉腫、扁平上皮がん、移行上皮がん、口の中や足のメラノーマ(悪性黒色腫)、甲状腺がんなどが血管やリンパ管を通って肺へ転移します。
悪性腫瘍は転移を起こしやすく、中でも肺転移は多く見られます。

【おもな症状】

肺の病変が大きくなるまでは、症状が出ないこともありますが、下記の症状が出た場合には肺の腫瘍が疑われます。

1. 咳をする。
2. 呼吸が苦しそう。
3. 発熱。
4. 元気がない。
5. 体重が減ってきた。
6. その他 原発性疾患の症状
↓例えばこんな症状・・・
・足の骨肉腫;足をつかない。
・脾臓の血管肉腫;貧血でふらふらする。
・口腔内のメラノーマ;口の中にできものがある。
・鼻腔内の扁平上皮がん;鼻汁・鼻出血。鼻が膨らんできた。
・乳腺がん;乳腺にしこりがある。
など

【好発品種】

性別や品種による差はありませんが、8〜9歳以上の犬と猫に多く発生します。また、ボクサーに多く発生するといわれています。

【診断】

□レントゲン検査
□CT検査

*CT検査では任意の断面を見ることができるので、心臓や骨などに邪魔されず、肺だけを見ることができます。また病変の位置や大きさをより正確に知ることができるます。
*CT検査全身麻酔が必要であるため、肺の異常が疑われる場合には麻酔の危険性が高くなる事があります。CT検査を希望される場合には、主治医の先生にご相談ください。

【治療】

【CT画像 〜正常〜】

△肺は左右に分かれていて、それぞれ深い切れ目が入っておりいくつかの“葉”に分かれています。
肺は空気をたくさん含んでいるため、CT検査では黒く見えます。肺の中に見える細かい線状のものは血管です。

【CT画像 〜症例1 ラブラドール・レトリーバー 11歳〜】

症例① 
□ラブラドール・レトリーバー 11歳
□主訴:咳・呼吸が苦しそう

【CT画像診断】
□ 心臓の隣に写っている白い影が腫瘍です。
□心臓とほぼ同じ大きさの孤立した腫瘍です。

【CT画像 〜症例2 M.ダックスフント 9歳〜】

症例②
□ミニュチュア・ダックスフント 9歳
□主訴:お腹の中に腫瘍あり(呼吸器の症状なし)

【CT画像診断】
□ 肺の中の小さな白い影が腫瘍です(赤矢印)。
□小さい腫瘍が数多くの確認できます。

【無麻酔CT検査について】