平滑筋腫
※検査を受ける施設・検査内容・オプション・ペットの体重などにより料金は変動します。詳しくは、各施設でご確認ください。
- 犬
- CT
ビーグル 去勢雄・11歳・体重8.26kg
□□□□ 平滑筋腫 □□□□
腹腔内腫瘤を主訴にCT検査を依頼される際、時々、非常に重度の低血糖を呈する症例を経験します。低血糖の鑑別には多くの疾患が挙げられますが、腫瘍に関連する疾患としては、主にインスリノーマと膵外腫瘍の2つが挙げられ、キャミックでもインスリノーマの症例を比較的多く経験します。膵外腫瘍では、巨大な腫瘍による消費の亢進(肝細胞癌やリンパ腫など)と、インスリン様物質を産生する腫瘍に分けられます。
□□□□ 主訴 □□□□
低血糖、腹部腫瘤
□□□□ 経過 □□□□
1ヶ月前から徐々に悪化するふらつき、徐々に悪化。
血液検査で重度の低血糖(30m/dl前後)、腹部超音波検査にて上腹部に巨大な腫瘤を認めた。
□□□□ 画像所見 □□□□
上腹部右寄りに最大径:約11.2×11.1×7.1(体軸×横幅×高さ)㎝の歪な軟部組織陰影の腫瘤(CT値50〜80HU、CT値100〜300HUの石灰化を伴う)を認め、腫瘍を疑った。
周囲で多くの臓器(膵臓、胃、十二指腸、小腸、盲腸~上行/横行結腸、肝臓外側左葉、腹壁など)に密に接するが(癒着の可能性がある)、それら臓器との連続性は指摘できず、由来不明であった。
****************************
■■■ その後の経過 ■■■
主治医のもとで開腹、幽門部からの発生が確認され、摘出された。粘膜、粘膜下織は残して切除できたとのこと。膵臓右葉と癒着しており一部切除した。術後低血糖は改善された。
■■■ 病理 ■■■
胃平滑筋腫
****************************
■■■ 担当者コメント ■■■
画像診断を始めて10年以上経ちましたが、毎週の様に新しい発見があります。
今回の症例も、疑わしいと思いながらも由来部位を強く指摘できませんでした。
また、何度も平滑筋腫は見てきましたが、今回のように、インスリン様成長因子を分泌するケースは初めてです。
一生勉強だと言い聞かせながら、今日も頑張ります。依頼病院の先生からの結果を教えていただく事で、私たちの検査は完了します。
いつもたくさんの情報をありがとうございます。
(担当獣医師・執筆:画像診断本部 大西 ゆみ)
【検査実施内容】※表記は全て税込価格です。
・CT検査(1部位、10kg未満) 49,500円
・CT追加検査(1回まで) 17,600円
・CT追加検査(2回以降)×3回(@8,800円) 26,400円
・CT造影検査(10kg未満) 24,200円
・採血料×2回(@1,320円) 2,640円
・血液生化学検査(1項目) ×2回(@880円) 1,760円
・点滴処置(20kg未満) 1,650円
・酸素室(10kg未満) 2,750円
126,500円(税込)