メールマガジン
キャミックメールマガジンVol.03(2021年9月号)
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キャミックメールマガジンVol.03
2021年9月号
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▼目次▼
【1】医療コラム「造影剤の使用について」
【2】症例報告「鼻腔内腫瘍」
【3】お知らせ
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┃【1】医療コラム「造影剤の使用について」
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今回はCT検査時の造影剤の使用についてお話しいたします。
キャミックでCT検査を行う場合、一部の例外を除いて造影剤を使用しています。
目的は
①臓器や組織のコントラストをつけ見えやすくする
②血管を見えやすくする
③病変の血行動態を知ること、等です。
CTの造影剤は消化管造影とは異なり、水溶性のヨード造影剤を使用し前肢の橈側皮静脈より静脈内投与を行います。
より確実な検査を行うためには適切な造影剤を適切に注入し、適切なタイミングで撮影する必要があります。
具体的には「どのくらいの量」を「どのくらいの速さ」で注入するか、
そして「どのタイミングで撮影するか」が重要で、それにより見える画像が変わってきます。
造影剤注入後、それぞれの血管におけるCT値の変化をグラフで示します。
▽参照画像はこちらのURLよりご確認いただけます。
https://camic.jp/column/03_202109/
臓器別では副腎・膵臓は動脈相で最も強く増強される特徴があります。
また、それぞれのタイミングにおける増強のされ方により病変の悪性度がある程度予測出来る場合があります。
例えば肝細胞癌では全てのタイミングで増強が不均一に見られ、過形成では平衡相で周囲と同程度に均一に増強される傾向があります。
その他にも膵臓腫瘍ではあるタイミングでのみ検出可能な場合があり、キャミックでは膵臓腫瘍(特にインスリノーマ)が疑われる場合、動脈相を更に二相に分け、造影後早期動脈相・後期動脈相・門脈相・平衡相の4相で撮影しています。
腎臓・尿管の病変が疑われる場合には、造影剤が膀胱へ流れる遅延相(排泄相)まで撮影し、
尿管への排泄遅延がないか、尿管の拡張や閉塞・走行異常がないか等も確認します。
このように病変の増強のされ方や造影前後の画像を比較することにより病変を評価しています。
また造影剤を使用せずとも評価できる部位として、骨や肺実質が挙げられます。
骨折の有無や肺転移の確認などは造影剤なしでも評価可能です。
今後のコラムでは各種臓器におけるCT値の変化から疑われる疾患について個別にお話していきます。
□担当獣医師・執筆:キャミック埼玉・ひがし東京 センター長(獣医師) 花島 亜由美
▽参照画像はこちらのURLよりご確認いただけます。
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┃【2】症例報告「鼻腔内腫瘍」
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鼻汁や鼻出血などで頭部CT検査をご依頼いただく症例は比較的多く、毎年犬猫併せて200件以上来場されます。
鼻腔内には鼻汁などの炎症産物と腫瘍が混在している症例も多く、質的診断にはMRIがより優れてはいますが造影剤を使用すればCTでも十分評価可能です。
また、CTでは骨や歯の状態も確認出来ますし、MRIと比較して麻酔時間も短いので、造影CT検査と採材を併せて行うケースがほとんどです。
元々FCR/FVRなどの“ネコカゼ”持ちのネコちゃんは発見が遅れがちな印象です。
今回、明らかな出血が見られず、外貌変化も見られなかった症例で、慢性の鼻汁が治らないという症状のみでCT検査を行い、腫瘍が見つかった症例をご紹介いたします。
【症例】雑種猫・去勢オス・11歳 体重6.2kg
【主訴】1ヶ月以上前からの鼻汁。
【経過】
最初は左側のみからの鼻汁だったが検査時には両側から膿性鼻汁が出る。
鼻出血・外貌変化はない。カゼの治療に反応無いため精査を希望。
【画像所見】
鼻端より約2.4cm尾側の左鼻腔・鼻咽頭道および蝶形骨洞内に占拠性病変を認める。
病変は造影剤により不均一に増強されることより腫瘍を疑った。
接する骨には融解を認め、眼窩・頭蓋内へも浸潤していた。
病変周囲および前頭洞内には造影増強の乏しい所見を認め、分泌物・血液・炎症産物などの貯留が疑われた。
▽検査画像や詳細は下記のURLよりご覧いただけます。
□担当獣医師・執筆:キャミック埼玉・ひがし東京 センター長(獣医師) 花島 亜由美
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【3】お知らせ/ご案内
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ご不便をおかけいたしますが、ご理解とご了承の程、よろしくお願いいたします。
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