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療コラム

MRI/CT検査・画像診断に関して、日常の診察や検査ご予約時にお役立ていただける医療情報をお届けします。

MRI基礎知識〜MRIとは〜

執筆:画像診断本部長 伊藤泰毅(獣医師)

これまでCTについてお伝えしてきましたが、今回から気分をかえてMRIについてお伝えしたいと思います。
 
今後、数回に分けてMRIについて情報発信していきますが、本コラムを通じてMRI検査が「難しい」「よく分からない」「どの症例が適応か分からない」というマイナスイメージを払拭し、より身近な検査に思ってもらえれば幸いです。また画像診断のポイントなども併せてご紹介したいと思っていますので、お手元にあるMR画像を改めて見直すきっかけになればなおうれしいです。

MRIとは

正常な画像を見る

MRIの詳しい原理は成書を参考にして頂くとして、ここでは簡単にご説明します。
 
MRI検査は「磁気共鳴現象」を利用した検査です。これは強い磁場(静磁場)に置かれた水素原子(プロトン)に様々な刺激(電磁波)を照射するとプロトンから信号が放出される現象で、MR画像はこの信号を受けてとって画像化したものです(図1・2)。
 
放出される信号の強さは、各組織に存在するプロトンの状態・密度などによって決まります。MR画像は信号が強いところを“白く”、信号が弱いところを“黒く”、濃淡をつけて表現しています。

ご存知のようにMRI検査では条件の違う様々な画像を撮影します。
代表的なものとして「T2強調画像」「T1強調画像」「FLAIR画像」がありますが、それぞれ見た目の特徴を知っていなければなりません。

神経学検査

MRI検査と切っても切れない関係にあるのが神経学検査です。
私たちの施設ではMRI検査前に必ず実施し撮影部位を決定しています。
 
MRI検査では一度に撮影できる範囲が限定され、どんなに早くても30分はかかります。少しでも麻酔時間を短くするため丁寧に神経学検査を行い、病変の位置を特定しなるべく撮影部位を限定したいと考えています。
そして、MRI検査で認められた病変位置と症状や神経学検査で特定した病変位置が一致するか確認します。
 
MRI検査に限らずですが、画像検査では偶然見つかる異常も少なくありません。その際にどれが責任病変と言えるかを判断するのに神経学検査は欠かせません。
 

 
 


▼獣医神経病学会 WEBサイト
https://shinkei.com/

▼神経学的検査シートver.2014(開業医向け・日本語表記のみ)
https://shinkei.com/pdf/sheet2014j.pdf


症例紹介


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