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療コラム

MRI/CT検査・画像診断に関して、日常の診察や検査ご予約時にお役立ていただける医療情報をお届けします。

予約・検査について

執筆:画像診断本部 本部長 伊藤 泰毅(獣医師)

いつもキャミックをご利用頂きましてありがとうございます。

今回のコラムは症例のことではなく、予約のことや撮影のことなどについてお伝えしたいと思います。

1.予約時に欲しい情報

ご存知の方も多いと思いますが、検査の予約は電話でのみ受け付けております。

最近は外食や旅行の予約などほとんどがウェブで可能な時代に面倒と思われるかもしれませんが一応理由があります。

 

一つは検査前の動物の状態をきちんと把握しておきたいからです。

全身麻酔を行う前に既往歴も含めてお伺いし、私たちも麻酔リスクについて十分承知した上で安全な検査を行いたいと思っております。

 

二つ目の理由は検査内容によってご案内できる時間が変わるからです。

検査にかかる時間は症例(検査部位)によって多少の前後があり、できるだけ多くの希望に応えるため、予約を入れる際には前後の検査内容を考慮した上で隙間なく受け入れるようにしています。

そのため電話予約の際にはたくさんのことをお聞きします。中には「そこまで必要?」と思われることもあるかもしれませんが、安全に1件でも多くの検査を受け入れるためですので是非ご協力下さい。

 

また、画像診断時には症状・経過だけでなく、既往歴が大事なこともありますので過去に遡っていろいろとお聞きしますがご了承ください。

予約時に必要な項目をリストアップしましたので予約時の参考にして下さい。

 

カルテ情報

飼い主 名前
ペット 名前
動物種/品種
性別(去勢・避妊)
生年月日または年齢
体重

 

動物の状態について

現在の症状・

経過・

治療内容

★画像診断する上でも重要な情報です

[いつから?/急性?慢性?/良化しているか悪化しているか等]。
★ステロイドなど治療薬が画像に影響することがあります。
★先生が疑われている疾患を教えてもらえると、こちらから検査内容についてご提案できる場合があります。
★鼻閉塞や咽頭・喉頭領域の病変は「挿管できない」「抜管できない」などのリスクがあり特に注意が必要と考えています。

麻酔前

検査

★検査1週間前までの血液検査(CBC・生化学検査)をお願いします。検査項目の指定はございません。一般的な項目で十分です。
★症状・検査内容によっては、凝固系検査や総胆汁酸、コルチゾール、甲状腺ホルモンなどの検査をお願いする場合があります。
★胸部レントゲン検査をお願いします。また、症状によっては患部のレントゲン画像もあると参考になります。
金属性

インプラント

の有無

〈MRI検査〉
★マイクロチップによるアーチファクトで脊髄の評価が困難なことがあります。レントゲン画像で位置の確認をお願いする場合があります。
★ピンやプレート・スクリューなどはアーチファクトの他に発熱等のリスクもあります。(※参考コラム:MRI基礎知識〜金属とMRI〜)

〈CT検査〉
★ピンやプレート・スクリューなどによるアーチファクトにより周囲組織の評価が困難な場合があります。またバリウムもアーチファクトの原因になります。

既往歴 ★ワクチンや薬、食物アレルギーの有無を教えて下さい。
★現在、使用中のお薬の有無を教えて下さい。
(心臓病薬や甲状腺ホルモン、トリロスタンなど)
★全身麻酔を行う際に注意が必要な既往歴があれば必ず教えて下さい。
ご相談ください ★CTかMRIか、あるいは両方か迷っている。
★検査部位をどこにするか迷っている。
★せっかくだから麻酔中にFNAして欲しい。

2.撮影部位

CT検査/MRI検査では、どんな症例でも同じように撮影しているわけではなく、症状や検査目的に応じて撮影の部位や順番を決めるなど、常に最適な方法を模索しながら検査を行なっています。

 

例えばCT検査では、部位に応じて管電圧・管電流・スライス厚・テーブルスピードなどが異なる、複数のプロトコルから選択しています。

 

ほとんどの場合「頭部」「頸部」「胸部」「腹部」の中からお選び頂いて大丈夫ですが、「腹膜心膜横隔膜ヘルニア」のように「胸部?腹部?それとも胸・腹部?とオーダするの?」と悩まれるかもしれません。

 

あるいは、「鼻汁・鼻出血の猫で鼻を一番に見て欲しいけど、念の為甲状腺もチェックしたい」ということもあるかもしれません。そのような時はご予約時に症状や経過と共にその旨お伝えいただければ、検査部位について獣医師がお答えしますので気兼ねなくご相談ください。

 

一方MRI検査では、症状や経過、神経学検査などから撮影部位を決定しますが「頭部」「頚部」「胸部」「腰部(仙部)」とオーダーしてもらえれば大丈夫です。

 

ただしMRI検査の場合、撮影範囲が限定されるので複数部位を希望される場合は優先順位を決めて頂けると検査がスムーズです(「頭蓋内疾患を一番に疑っているが、念のため頚部もお願い」など)。

どうしても決められない時はこちらの判断で進めることもできますのでお任せください。

 

3.検査時間

CT検査では撮影部位が増えても検査時間(麻酔時間)が大きく変わることはありません(その代わり読影時間は大幅に長くなります)。

 

一方のMRI検査では撮影部位を一つ追加するごとに検査時間(麻酔時間)が少なくとも30分は延長するとお考えください。

例えば「頭・頚部MRI検査」の場合、合計で1時間強の時間がかかりますので、頭部から撮影し責任病変が見つかれば、少しでもリスクを軽減するため、頚部検査を省略することがあります(検査中に電話でご相談いたしますが予約時にお伝えいただくとスムーズです)。

 

または「今回の症状からは胸腰髄病変を疑っているが、以前、頚部痛があったので、念の為頚部も撮って欲しい」という時があると思います。

こんな時は「矢状断像で省略も可」とお伝えください。MRI検査では「矢状断像」「横断像」「背断像」の3方向の画像を別々に撮影し、それぞれでT2強調画像/T1強調画像/造影後T1強調画像などを撮るのでそれ相応の時間がかかります。

「矢状断像のT2強調画像/T1強調画像」のみであれば10分前後で検査を終えることが出来ますし、検査料金も低く設定していますので「念の為」「なにもないかだけ確認」というようにちょっと気になる時には予約時にお伝えください。

4.造影剤

CT検査では、造影剤投与後の撮影タイミングが数秒違っただけでも得られる情報が変化するのでいつも秒単位で設定をしています。CT画像では撮影タイミングや回数が診断に大きな影響を与えます。(関連コラム:CT基礎知識〜造影剤の使用について〜)

 

MRI検査では、造影前T1強調画像と造影後T1強調画像の両方を見たいので、複数部位を撮る場合、「いつ投与するか」が鍵になります。

どちらの検査でも造影剤を投与してしまうと一定時間体内に残ってしまうので一発勝負的な怖さもあり「いつ投与して、いつ撮るか」を常に考えながら検査を行なっています。そのため、予約時に鑑別疾患や検査目的などを明確にして頂ければ、症例に適した撮影方法をご案内できます。

将来キャミックでもウェブ予約を可能にしたいとは思っているのですが、いろいろな事情で簡単にはいかないのです。少し手間がかかり面倒かもしれませんが、もうしばらくお付き合いください。

 

 

ご相談随時受付中

 

キャミックでは、CT・MRI検査/画像診断に関する主治医様からのご相談に、お電話にてお答えしています。

 

疑っている疾患・症状・何をお知りになりたいのか・今後どのような治療をお考えなのかをお伺いし、最適な検査をご提案いたします。
ご相談だけでも構いません。CT・MRI検査/画像診断でお困りの事がございましたら、お近くの施設まで、お気軽にお電話ください。

 

【よくあるご質問】
・CT・MRI検査の適用症例なのか判断つかない、、、
・おそらく神経疾患だけど神経学的検査苦手だし、、、
・この症例はCT・MRI検査を行って何か有益な情報が得られるの??

 

□■━━━━━━ 相談窓口 ━━━━━━■□

●城北 TEL:048-606-3732
●城南 TEL : 03-5752-5033
●ひがし東京 TEL : 03-6808-2139

 

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